![]() | 小悪魔 ageha (アゲハ) 2008年 07月号 [雑誌] インフォレスト 2008-05-31 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「ポストエビちゃんは?」と言われ続けて早2年。 未だに、エビちゃんクラスの求心力を持つモデルが 現われていないのですが、ここにきて、勢いをみせて いるのが姫系ファッションです。東京カワイイ★TVの 第3回は「姫スペシャル」でしたし、「春のファッション、 10代では“姫カジ”が熱い」というオリコンの記事も ありました。ティーンズだけではなく、20代も読む ファッション誌JJも「姫サバ」という言葉を作り、 姫テイストを取り入れているのですが、この姫系ブームの 象徴的存在といえるのが、姫ギャル誌小悪魔ageha。 今や35万部(公称)を発行し、飛ぶ鳥を落とす勢いなのです。 日経エンタテインメント !7月号
■姫系ファッションには大きく分けて3つある
姫系と一口にいっても、姫系は一枚岩ではありません。 おおざっぱに、次の3つに分けることができます。
1. Ray・CanCam的姫ファッション
いわゆる「お姉系」のことで、姫は「かわいい」程度の意味。大枠では、 1993年頃から続くプリコン(プリティコンサバティブ)に含まれ、 可愛らしさを売りにする日本独自の大人のコンサバ系ファッションです。 いわゆる、名古屋嬢・神戸嬢ファッションもここに含まれます。
2. KERA的姫ファッション
白ロリ・甘ロリと呼ばれるスタイルの亜流で、ロリータ要素の 強いスタイルです。80年代のMILKやピンクハウスにルーツがあると 言われているのですが、2000年に入り、いわゆる、 ゴスロリ系と混同されるようになり、一気に一大勢力に。
3. 小悪魔ageha的姫ファッション
小悪魔agehaが開拓したスタイル。大まかに説明すれば、 1のRay・CanCam的姫ファッションと2のKERA的姫 ファッションを足して2で割ったような感じです。 実際、1や2から流れてきた女性も多数いるようです。
この中で、今、話題になっているのが3の小悪魔ageha的 姫ファッションで、通称「姫ギャル」です。ギャル色が 非常に強く、一言で言えば、キャバクラ嬢をフィーチャー したスタイルなのですが、この姫ギャルと昔、一世を風靡した ガングロギャルが似ているのです。見た目に共通点はないのですが、 私には白か黒かの違いに思えてならないのです。
「ほかの雑誌で意識するのは『egg』。私が10代のころ、いきなり 出てきて、あれだけ売れた。『egg』は、私にとって神様みたいな 存在です。(日経エンターテインメント7月号P73より)」 こう語るのは、小悪魔agehaの編集長、中条寿子氏。 eggといえば、ガングロ系を代表する雑誌ですが、 中条氏がこれだけ賞賛するということは、eggに影響を 受けていることは間違いありません。ガングロに何か、 今の姫ギャルブームを探る手がかりがあるはずです。 当時のeggも小悪魔agehaも読者参加型の雑誌で、 ガングロギャルにせよ、姫ギャルにせよ、そのファッションスタイル はカリスマモデルからトップダウンで広がったものではなく、 読者に近い「読モ(読者モデル)」や「ミヂカリスマ」 という存在を通し、横に広がっていったものだからです。 それでは、簡単にコギャルの歴史を振り返りながら、 姫ギャルと比べてみましょう。
■大流行のスタイルから2年後に台頭
・2年という月日を経てガングロになったコギャル
今では死語となったコギャル(90年代のギャルの総称)。 そのコギャルのルーツはLAカジュアル、特にサーファー系にあります。 コギャルの特徴として、「小麦色の肌」「派手さ」 「茶髪」「肌の露出」が挙げられますが、それを最も 体現していたのが沖縄出身の安室奈美恵さんです。 ガングロはこのコギャルの特徴をさらに強めて、 1998年頃、生み出されたものです。小麦色の肌は黒くなり、 茶色の髪はさらに脱色されて白っぽくなり、服装も バービー、ロコ(ハワイアン)、ヒッピー、ブラック系 (≒ヒップホップ)などの要素を取り入れ、さらに派手に なっていきます。翌年の1999年に隆盛を極め、ガングロを さらに過激にしたゴングロ、バチグロ、ヤマンバも登場し (ガングロ→ゴングロ→バチグロの順に濃くなる)、 世間を賑わせました(ちなみに、美白ブームにより2000年くらいから衰退)。 アムラー現象が起こった1996年がコギャルの全盛期とすると、 2年という月日をかけて、過激になっていったのですね。 トレンド(コギャル)から離れていく女性がたくさんいる中(後述)、 残ったコア層は、コギャルの基本要素を濃く凝縮させていったのです。
・エビちゃん系ブームの2年後に姫ギャルが台頭
続いて姫ギャル。姫ギャルのロールモデルは浜崎あゆみさんで、 2007年に公開された映画、マリー・アントワネットが世の女性の お姫様願望を煽り、今のブームに至る、と、東京カワイイ★TVでは 説明していましたが、私はエビちゃん系ファッションの一部が 凝縮されたスタイルこそ、姫ギャルだと考えています。 冒頭でも触れましたが、姫系というのは、2007年より前から ある定番スタイルです。RayやCanCamの得意分野の1つです(JJは プリンセスという言葉を多用)。エビちゃん系はモテ系 以外に、お嬢様系やお姫様系とも言われているのですが (各々に微妙な違いはある)、このスタイルが流行った 背景には、不景気による就職難が理由の1つとしてよく挙げられています。 お嬢様系は男性ウケが非常に良いスタイルですし、 お姫様系はお姫様、つまり、玉の輿に乗りたいという願望の 現われと考えることができるからです。だからモテ系( 他力本願系)と言われるのですね。
さて。2008年、現在、姫ギャルが注目されていますが、 2年前は何が流行っていたのかというと、言うまでもなく、 それはエビちゃん系です。お嬢様系、お姫様系と言われる モテ志向のファッションです。発行部数を見ると、 2006年上期がCanCamの最盛期です。コギャルは2年という 月日を経てガングロになりました。エビちゃん系も、 ガングロ同様、トレンドから離れていく女性が多い中、 一部でその特徴が凝縮されていき、姫ギャルになったと考えられませんか? 元々、CanCamはティーンズのギャル系雑誌Popteenの受け皿的雑誌です (2007年のCanCam4月号の読者スナップをみると、15人中6人が元Popteen読者)。 CanCamはギャル系のファッション誌ではありませんが、 読者は十分ギャルマインドを備えています。エビちゃん系の 特徴である、「ふわふわ」「ひらひら」「キラキラ」「パステルカラー」 「巻き髪」が濃く凝縮され、今の姫ギャルが生まれたのでは ないでしょうか。
・「カリスマモデル」より「読モ」と「ミヂカリスマ」
コギャルやアムラーは安室奈美恵さんがロールモデルに なっていたと思いますが、ガングロは安室奈美恵さんではなく、 渋谷のストリートから自然に発生し、読者スナップで人気を 博したeggが広めたものだと私は思います。たまたま、今月 発売のScawaii7月号
ガングロと同じで、姫ギャルブームというのも、六本木や 歌舞伎町のキャバクラ嬢の中から自然に発生し、小悪魔agehaが 広めたものではないでしょうか。浜崎あゆみさんの影響もあると 思いますが、私には、浜崎あゆみさんや映画マリーアントワネットに 憧れて、姫ギャル系のファッションに身を包んでいるとは思えないのです。 なぜなら、姫ギャルはカリスマモデルやセレブからトップダウンで広がった ものではなく、読モやミヂカリスマ(特にキャバクラ嬢)を通し、 横に広がったものだからです。さらに付け加えると、彼女たちは アンチマジョリティであり、アンチモテでもあるからです。
■社会へのカウンターとアンチモテ
・ガングロは社会への反逆
肌の露出度の高いコギャル系ファッションは、本来、 男ウケを意識したものだったのですが、コギャルの中から、 男ウケを考えないスタイルが登場します。言うまでなく ガングロです。当時のeggの編集長は次のように述べています。 「服やアクセサリーはサーファー系が源流、そこに 十年前ならヤンキーになっていた層が合流した(略) ギャルファッションは、ある種の武装であり、社会への 反発でもある。「女の子はこうでなくちゃいかん」という 大人の価値観をひっくり返している(族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史
1996年、アムラー現象が起こったときの流行語には 「アムラー」「チョベリバ」「茶髪」などコギャルの 特徴をあらわす言葉が多数見られますが、「援助交際」が 入っているのも見逃せないポイントです。メディアによって 「コギャル≒援助交際」というイメージが世間に形成されていき、 コギャルがバッシングされたのですね。この年を機に、 男ウケや世間体を気にし、コギャルから離れていった層(通称白ギャル)と、 本当にコギャルファッションが好きで、コギャルであり続けた層 (通称黒ギャル)の2つに分かれるのですが、コギャルとして残った 層は過剰なまでに身体を装飾していきます。それは、 まさに男避けを兼ねた武装であり「コギャル≒援助交際」という イメージを壊したかったのでしょう。
・既存の価値観をひっくり返して日の目を見た姫ギャル
続いてエビちゃん系。こちらもモテ系と言われるだけあり、 男ウケを意識したものなのですが、当然、この中には 男ウケを気にしない層がいます。その一部が姫ギャルの 原点だと私は考えています。エビちゃん系は「お姉系」 とも言われるのですが、これは「ギャル系のファッション を卒業したお姉さんっぽいファッション」という意味で 使われています。ギャルの多くが、20歳までにお姉系に クラスチェンジするのは当たり前のことだったのです。 お姉系にクラスチェンジしても、「かわいい」はなかなか 卒業できず、控えめで上品だけど、どことなく、お姫様 テイストの入ったかわいいスタイルになってしまうのですが、 それが冒頭で触れたRay・CanCam的姫ファッションです。
しかし、2005年くらいから、お姉系みたいにギャルを 卒業しなくても、派手なままでもいいじゃない、 とギャルの年齢幅が拡大されていきます。きっかけは アラサーブームです。アラサーとはアラウンドサーティ (30歳前後)の略で、コギャル世代を指す言葉です。 購買力と流行を生み出す力の強いアラサーが、 アパレル業界に注目され、その層に向け大人のギャル 雑誌が次々と創刊されたのです。20歳以降でも読める ギャル雑誌の登場により、皆が皆、ギャルを卒業しなくたって、 お姉系に、エビちゃん系にならなくたっていいんだ、 別にモテなくても、控え目な姫テイストでなくとも、 自分の好きな「かわいい」と「ギャル」を思いっきり 追求したっていいんだ、と既存の価値観を次々とひっくり 返していくのです。一部では、元々から備えていた、 「ピンク」「ひらひら」「キラキラ」「巻き・盛りヘア」 という「お姫様」要素を過剰に出し始めるのですが、 そこに、タイミングよく2006年に創刊されたのが、 従来の「ギャル×LAカジュアル」ではなく 「ギャル×姫ファッション」という切り口と「キャバクラ嬢」 というニッチなジャンルを押さえた小悪魔agehaなのです。
・姫ギャルはアンチエビちゃん系
「生まれつきエビちゃんじゃなくたって私たちは努力と 一緒に生きていくんだ」。昨年、話題になった 小悪魔ageha10月号
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それでも男の自分としてはアンチモテ系のスタイルは苦手だから流行らないで欲しい訳ですが(笑)
この傾向が男性のファッションにどれだけ影響出るのかが気になるところですね。
読み応えありました!
でも姫ギャルがいまいち具体的にイメージできないんですが
ブランドでいうとジルスチュアートやリズリサ系と解釈していいのでしょうか?
もうちょっと過激なのかなぁ。。。
自分の中では、ブルーガルやアンナモリナーリにもっとコッテコテにリボンとレースを盛った感じの服に見えました。
ペラいサテンなのに平均6万位してびっくり。
派手すぎると、水商売人っぽく見えるよ(笑)
>イメージがどんどん悪くなっていったコギャルの時のように、「かわいい≒エビちゃん系≒他力本願(モテ)≒メディアの情報に受動的≒スイーツ(笑)」
ファッションって他人の目があるからあるものなんだと思っていたんですが、バランスが大切なのかな
去年くらいからでしょうか。一気にpopteenが上ってきて、その後いきなり小悪魔ageHaになりましたよね。
益若つばさちゃんがこのブームのミューズといったところでしょうか。その後は武藤静香さん。みたいな印象を受けます。
なるほどねえ、昔のコギャルに比べて今のギャル(黒ギャル?)がなんか刺々しいのはこの為だったんですね。
あと何処かの本で、肌を露出してもコギャルには性的対象として見られる弱さがあったが、今のギャルにはそれが無いというくだりがあるんですがそれも納得です。
しかし、ギャル史に「階級」という言葉が一回も出てこなかったということが気になりました。ギャルの歴史的な発展は完璧に「上流から下流」文化流がれの例だと言えます。「egg」創刊者の米原康正によると、最初のコギャルは私立高校の不良でした。つまり、「お金持ちの不良」。
安室奈美恵の影響で、ギャル文化がメディアブームになり、普通の中流階級のティーンが渋谷でいっぱい集まり、ギャル生活が「消費者文化」の枠組みに入りました。そのため、不良っぽい「イデオロギー」みたいな要素が薄くなりました。
1999ぐらいギャル文化では(Dick Hebdidgeが分析した)イギリスのサブカルチャー(Mods, Skinheads)のように、ヤンキー(つまり、労働階級の不良)の反社会的な要素がまた強くなり、ゴングロのような「中流階級の価値観に反乱」スタイルになってしまいました。今はギャル文化は殆どヤンキー思想に依存していると思います。
だから、最近流行った姫ギャルでも「水商売に入るのは当たり前である階級」で生まれた文化だからこそ、「水商売」の影響が強いです。社会階層とファッションがこのサブカルチャーで凄く繋がっていると思います。
(読みづらい日本語ですみません。)
私は姫7:コンサバ3ぐらいのRay系の格好が好きですが、
JJのいう「姫サバ」の語呂の悪さとダサさがなんかいやですw
姫系は可愛いですよ。キラキラピンクが好きなのは女子としては普通です。
が、装飾過剰でラインストーンびっしりみたいなのは苦手ですねぇ。
下品というか、不潔な感じがしてしまう…ほどほどがよいです。
と思ってしまうのは異性受けを意識してしまっているからでしょうかw
こういう事書くと気分悪くする人もいるかと思うけど…、
ギャルの中の援助交際、Ageha系の水商売のほかにも、
いわゆるロリータ系ファッションにもメンタルヘルスという
負の要素と切り離せない部分があり、
「異性の目」「男受け」を重視しないエッジなスタイルには
なにかとそういう、暗い面がついてまわるなぁ、と思うです。
“姫ギャル”の代表格といえば誰なんでしょう?パッと思い浮かばなかったもので…倖田來未ではないですし…。
白咲姫香とかその周辺でしょうか?
疎くて申し訳ないです。
小悪魔Agehaの成功からか姫ギャルフォロワー雑誌もずいぶん増えましたね。
お姫様に対抗して王子様が生まれるかもしれませんね。
>こりんさんへ
ジーザスディアマンテですね。リズリサも姫系ですが、ジルスチュアートはちょっと外れていると思います。そのあたりのブランドならピンキー&ダイアンでしょうか。
>shionさんへ
僕もあゆより、 つばさちゃんがミューズという感じがします。
>W. David Marxさんへ
鋭いご意見ありがとうございます。ただ、階級の話も含めると、下流・ヤンキーは、渋カジ・チーマー、ヒップホップにも触れなければなりませんし、上流はCanCamの受け皿になっている、oggiにも言及する必要があります。今回は、あえて、ガングロと姫ギャルの2つに絞り、話を単純化してみました。
>おしめさんへ
パンクもそうですが、カウンターカルチャーにはそういう側面がありますね^^;
>鬼さんへ
個人的には、つばさちゃんだと思うのですが、世間的には、あゆ、しょこたん、スザンヌあたりではないでしょうか。
>あゆみさんへ
もちろん、そういう人もたくさんいらっしゃると思いますよ!
男性が決めるものでは無いと思うのですよ。
自分の好みではないからって悪口まで言われる筋合いは無いし、
上から目線で見られることが凄く腹が立つんですよね。
彼らは解釈のし易い、都合の良いものを求めていても
私たちはアイデンティティがあってやっているのです。
だから姫ギャルの人が男性の目線はちょっとは気になる、
けれど最終的には自分の思う「可愛い」を優先させるという
意見は派手なファッションそのものは苦手でも、
そういった部分ではすごく共感します。
背景には、メディアの影響かな〜