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2010年03月09日

「ファストファッション戦争」の観戦手引書

ファストファッション戦争ファストファッション戦争

産経新聞出版 2009-12-18
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 先週、H&M戎橋店がオープンしました。関西初上陸です。 雨にも関わらず2,500人も並び、その注目度の高さが伺えますが、 これで、H&M、ユニクロ、ZARA、コレクトポイント、Gap、無印良品と、 難波〜心斎橋にもファストファッションの大型店が集結です。 どうやら、今年は、大阪がファストファッション戦争の舞台に なりそうな感じですね。

 ファストファッションは「安くてお手軽なファッション」と 括られていますが、H&M、TOPSHOP、ZARAみたいな、トレンドを 取り入れるのが速くモノ作りも速い(商品開発期間が短い)SPA型、 ユニクロや無印良品のようなスタイル重視のSPA型、しまむらやフォーエバー21のような仕入売り切り型と戦闘スタイルはさまざまであり、 同じ型でも戦術が異なるわけですが、それらをわかりやすく解説しているのが、本書『ファストファッション戦争』です。

 やはり、各企業のバトルスタンスを知っていれば、 ファストファッション戦争の観戦をより楽しめると思いますので、 知っておくのもいいのでは。


<目次>

第1章 ファストファッションvs百貨店
第2章 ユニクロvsH&M
第3章 しまむらvsフォーエバー21
第4章 無印良品vsZARA・GAP
第5章 黒船vs国産チェーン
第6章 ジーユーvs総合スーパー
第7章 銀座vs原宿vs渋谷

 ファストファッションには、1.ファッション性、2.スピード、 3.低価格、4.クオリティーの4要素があり、その全てを最高水準で 揃えることはできません。何を犠牲にして何を重視するのか。 それによって、各ブランドの特徴が出てくるのですね。

 では、具体的に。「第2章ユニクロvsH&M」から両戦士の 紹介を少ししてみましょう。

ユニクロの柳井正社長の座右の銘は「1勝9敗」。挑戦し続ける ことを重んじる。1回の勝利のために何度も失敗していく ことが必要だとしている。結果を出すことは必要なのだが、 結果に至るまでの過程を重視するということだ。 きわめてベンチャー企業的だ。しかもただ挑戦すれば いいというのではなく、挑戦して勝たねばならないという厳しさ。 それはつまり、社員も役員も常に全力疾走でなければならない ということだ。立ち止まることが許されない。

 姿勢は常にチャレンジャー。高品質・高機能・低価格の 商品を作りこむため機動性(スピード)には欠けますが、 その間、何があっても耐えしのぎ、コツコツと修練を積み重ね、 最終的には、圧倒的なパワーで目標をなぎ倒していく。 その肉を切らせて骨を断つ戦闘スタイルがユニクロです。 窮地に立たされる(景気が悪くなる)ほど強く、フリース、 スキニージーンズ、ヒートテック、ブラトップと一撃も重いです。

 これらをわかりやすく言えば、漫画『はじめの一歩』の幕之内 一歩と言えるでしょう(笑)日本人らしい努力型で、そこに妥協はありません。ひたすら前に前にと愚直に出て行きますので、詰められたら最後。ユニクロ旋風(デンプシーロール)から抜け出すのは至難の業だと言えるでしょう。

H&Mは最新モードをいかに早く消費者に届けるか、 そのスピードを重視しているのだ。そのため、次から次へと 新作を投入していくことになる。どんな売れ筋商品でも いったん売り切ってしまうと、ほとんど再生産はしない。 同様のコンセプトやトレンドに沿ってはいるが、 まったく別の商品を新たに企画して生産して投入することを優先する。

 そのスピードは他の追随を許さず、パンチの軌道(シーズン中のトレンドの動き)を見て、後発でパンチを出すことすら可能。 しかも、相手より早く届く。それが強み。とにかく手数が多いため、大ヒット商品は生まれませんが(一撃のパワーが弱い)、 「デザイナーコラボ」という必殺ブローでそれを補っております。 「高級ブランドのデザインを低価格で」という、従来のファッションの在り方すら破壊した究極的なカウンター攻撃です。そのクロスカウンターが銀座の街に炸裂したのは記憶に新しいかと思います。 ただ、スピードを優先するため、品質確保ができないという弱さがあり、防御力に難があります。今はまだ店舗数が少なく捕まえるのは困難ですが、捕まったら案外脆く崩れ去るのかもしれません。

 さて、これを例えると、言うまでもなく、一歩のライバル、 宮田君ですね(笑)スピードがあるからこそ成せる芸当であり、 華(ファッション性)もあるのです。手数と仕掛けのタイミングが 生命線のスピードファイターということができ、対極のユニクロとはいいライバルです。

 こんな感じで、各ブランドを対比させながら、わかりやすく、 特徴、戦術、戦略を説明しております。

 他にも、論理的なシステマティックファイターしまむら、 良くも悪くも「下品」でワイルドな気性を持つフォーエバー21、 器用貧乏でキメ手に欠ける無印良品、陰りが著しいオールラウンダーの王者Gap、ある程度の防御力を持つかわりH&Mに比べ攻めが単調なZARA等々。たくさんの戦士たちが本書には登場します。

 本書は、一応、百貨店の凋落から3桁ジーンズまで、ファスト ファッション中心にアパレル業界全般に広く言及しているので、 いい整理になりますよ。昨年末に出た本なので、アバクロの箇所が現状とズレを感じますが、関西にアバクロは上陸していないので問題ありません(笑)各ファイターの特徴をつかみ、皆さんも、この戦争を楽しく観戦してくださいね。




ニックネーム dale at 19:06| Comment(7) | TrackBack(0) | 書評・オススメのムック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
無印は板垣君ってことですね
Posted by RX-774 at 2010年03月09日 19:40
はじめの一歩はあまり詳しくないので
キャプテン翼かスラムダンクで例えてほしかった。
Posted by at 2010年03月09日 20:00
一歩と宮田くん、そのまんまですね笑
無印は木村さんでしょう!
Posted by ゲルゲ at 2010年03月09日 21:12
ディフェンスに定評のあるZARAっつうことですか
Posted by TABITO at 2010年03月09日 21:32
H&M程の派手さはないが、洋服をよく知っているユニクロ、みたいな感じか
Posted by at 2010年03月09日 21:40
青木のようなブランドが出て来てほしいです!

ところで、ベースコントロールはファストファッションには入らないですかね?
Posted by ジャイブZ at 2010年03月10日 12:23
青木ってGAPぽくないですか?無骨な感じが(^^)
Posted by マロニ at 2010年03月10日 23:29
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